悲しい現実_ガンバの死


迷子になった時点でネット上でも行われた捜索バナー



2003324日。1匹の犬が行方不明になった。

犬の名は「ガンバ」

その昔、ボランティアのWさんに命を救われた犬だった。

しかし、関係者の必死の捜索の甲斐もなく、ガンバは電車にはねられた後、畜犬センターに収容され、その10日後一人寂しく息を引き取っていた。

ガンバは死ななくてすんだかもしれない。

この悲しい現実を知ってほしい。

こんな思いをする人と犬が、2度とないように・・・・。

 

ガンバが行方不明になってからの経緯

3月24日(月)

午後2時頃逃走

こどもの国線の最終電車に轢かれていた。

3月25日(火)

ガンバ畜犬センターに収容される

午後4時 新里親Oさんよりガンバを縁づけたボランティアのWさんに連絡がはいる

3月26日(水)

旧里親Tさん、Oさん、共に畜犬センター(横浜市中区カモメ町31 電話045−621−1558)に朝届けを出す

ボランティアのWさんも電話を入れると既に2人から連絡が入っているとのこと。これ以後毎日連絡を畜犬センターにいれる(受付はいつも渡辺所長が電話を受けている)

旧里親Tさんが電話をした時収容犬は4頭と言っていた。「3匹は飼い主が出ているが1匹だけ判らない。首輪をしていないが顔に白い毛があるので違うでしょう。」と言われたとのこと。

3月27日(木)

畜犬センターに問い合わせる

3月28日(金)

畜犬センターに問い合わせる

3月29日(土)

畜犬センターに問い合わせる

+

 

3月31日(月)

畜犬センターに問い合わせる

4月1日(火)

畜犬センターに問い合わせる

4月2日(水)

チラシを見た人から3月24日にこどもの国線の最終電車に轢かれた犬がいて生きていたのでタオルをかけたとの通報あり

3月25日にセンターに収容されていたことを関係者が知る。

4月3日(木)

Oさん畜犬センターに午後3時半に電話をすると「犬はいます」とやっと確認ができる。この時初めてレントゲンを撮った模様。何も処置をしていないとなると気まずかったのか?明日でもいいと言われた。がこれも慌てて来られて事故でも起こしたらなどという理由からだが、本来ならば直ぐに出向いて引き取りたいと思うのが飼い主の心情である。あくまでも推測の域を脱しないが時間から見て定時に終業したかったのではないか?

4月4日(金)

引き取りに行く朝ガンバは死亡
所長に7日、
ボランティアのWさんが電話をする

 

 

センターに問い合わせた時の対応について

3月25日収容された 2〜3日はぐったりしていたが前足だけで立とうとするようになった。別にこれといった治療はしていない。食餌はずっと食べなかった。

最初の3日間は動けないような状態であった、でも所長は獣医師の癖に元気だったから診なかったと言ったそうです。全然言っている事が違う訳。収容情報もメモ書きにしかしてなかったらしい。

 

横浜市長への要望書

横浜市長
畜犬センターの件について
中田市長が横浜の市長になられ、市民の声の代弁者として日々ご活躍下さり大変心強く思っております。そこでお願いがあります。
実は、3月24日、月曜日午後2時頃、東京都町田市成瀬台2丁目より11才メスの雑種犬が飼い主宅から逸走しました。以後、東京都及び横浜市の警察、保健所、動物病院、インターネット、チラシなど八方手を尽くして捜しておりました。管轄である横浜市の畜犬センターにも26日届けを提出しお返事は毎回「いません」と言う事でした。
なお探し続けておりました所、4月2日になりチラシを見たという方から逃げた24日当日に「こどもの国線の電車に飛び込んだ犬がいて、生きていたのでタオルをかけてあげました」という通報が入りました。駅員の方の話で結局25日火曜日に畜犬センターに引き取られたという事でした。早速翌4月3日にセンターに電話を入れると「違うかも知れないけど事故にあった犬ならいます」との事。3月26日から当日4月3日まで毎日欠かさずセンターに問い合わせていた当の犬でした。写真を送り、「茶色、メス、首輪なし、足に白いソックス」との情報も伝えていました。これだけ情報を流したにも拘わらずセンターとして9日間も該当犬なしと繰り返されたのでは納得しかねます。下半身が動かなくなっていたこの犬は前足で必死に立とうとし、10日間の痛みに耐え、食餌も水も取れずなんの治療もしてもらえず、4月4日迎えに行く日の朝、息を引き取ったと言う事です。これでは見殺し以外の何ものでもありません。
収容された犬を是非とも飼い主の元に返さねばという責任感が職員にかけているのみならず、センター自体の態勢も整っていない結果といえます。届けを出した3月26日の前日にセンターには収容されていたのですから、もっと早く確認してもらえれば引き取って入院させる事も出来たのです。
1つの命を行政が断ったも同然です。飼い主側として、首輪が外れており、鑑札がついていなかったという落ち度があったにせよ、センターとして誠意がなく、業務怠慢としかいいようがありません。ひとたび畜犬センターに入るとその犬は戻らないと言う声を再三耳にしておりましたが、今回このような経験をしますとそれが残念ながら事実であった事を実感しました。不幸にもこの犬は問い合わせをした緑区保健所と市との2度に渡るミスで命を断ちました。飼い主が捜している迷い犬に関して今回のような不幸なミスが2度と繰り返されないようにするため、具体的にはどのような対策を考えていただけるか、又今回のような場合責任の所在はどこにあるか、お聞かせ頂きたく存じます。ご多忙の所恐縮ですが4月20日までに下記担当者まで書面にてご回答下さるようお願い致します。


NPO法人保健所の成犬・猫の譲渡を推進する会

横浜市長からの回答
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平成15513

 

NPO法人 保健所の成犬・猫の譲渡を推進する会 御中

 

横浜市長 中田 宏

 

 

拝啓

 日ごろから、市政にご協力いただきありがとうございます。

 お手紙をいただいた件につきまして、今般、負傷した犬が収容中に亡くなったことは、大変残念なことであると考えています。飼い主の方におかれては、深い悲しみに見舞われたことと存じ上げると同時に、ご心痛が一日も早く癒されますようお祈り申し上げます。

 ご指摘のありました点についてですが、まず、飼い主が捜している犬と畜犬センターでの収容犬とが同一と確認できなかったのは、飼い主が申し立てている犬の毛色の特徴と収容中に現認している犬の毛色に差異があり、同一犬としての確認ができなかったためです。

 次に、治療の件についてですが、犬を収容したとき、犬の状況は出血や外傷が見られず、また、触診から骨折も認められませんでした。

 そこで、事故の状況等から、内臓が損傷されていることが予想され、開腹等の早急な対応はむしろ症状を悪化させると判断したため、経過を観察することにしました。

 今後の対応についてですが、電話等での確認では具体的な色や形態は判断しにくく、現在でも行っているように、可能な限り飼い主の目で確認していただくことを徹底します。

 さらに、収容犬を写真で確認していただける方法などを検討してまいります。

 

 今回いただいた貴重なご意見を参考にしながら、適正な飼育の普及に努めていきたいと考えていますので、ご理解とご協力をお願いします。

敬具

 



やるせなく、悔しい想い

324日、新しい里親宅からガンバは逸走した。
ガンバはかれこれ10年程前にこの活動を始めたばかりの友人が横浜の里親の元に旅立たせたミックスの女の子である。10年も共に生活してきたのに、ガンバの飼い主は如何ともし難い理由よりガンバの飼育が困難となってしまった。新しい里親先は彼女の直ぐ近所、町田の方に決まったのだが、引き渡した5日にガンバは逸走してしまったのである。


あれだけ名札と首輪は必ず装着しておくように口を酸っぱくしてお願いしていたにも拘わらず、室内で飼育するからとその約束は果たされていなかった。名札さえ着いていれば・・・後悔はいつも先に立たない。


ガンバはきっと元の家に帰ろうとしたのだろう。
名札を装着させてなかったという負い目から、ガンバがいなくなったという知らせも翌日で、おくておくてが災いし、最悪の状況に陥った。
至る所に張り紙をし、全ての収容施設にはしつこい位に電話連絡。
こげんたスタッフの御厚意で速攻迷子サイトも作成してもらってアップ、他には知り得る範囲の迷子情報板すべてにアップした。
それなのに、これだけ網を張っているのにも拘わらず、何の情報も得られない。おかしい・・・
ガンバは失踪した24日の夜に事故に遭っていた。電車に飛び込んだそうだ。負傷して動けない状況下、近所の住民がガンバを発見して
駅員に通報。既に死亡していると思われ一晩は駅に放置、翌朝、清掃課に連絡をしようとしたが、まだ息があることに駅員が気付き、畜犬センターに通報。ガンバは瀕死の状態で収容された。これが横浜でなくて東京都だったら・・・ほんの少しの距離手前で事故に遭っていたら・・東京都の管理事務所に収容されたら絶対に助かった筈だ。
逸走した翌日から友人はもとより、ガンバの新しい里親も手放した元の飼い主もこのセンターに毎日電話して情報確認していたのに、「該当する犬はいません」の一点張り。やっとガンバだと確認できて、お迎えに行った朝にガンバは息絶えたそうだ。ガンバは結局瀕死のまま10日もの長い間をセンターで過ごした。
どんなに心細く、辛かった事だろう。この怒りは何処にぶつければいいのだろうか?
この職員は許されない。職務怠慢甚だしい。自分の身勝手な感覚で該当犬ではないと判断した結果がこの顛末だ。ほんの一箇所でも当てはまる特徴があるなら公開するのが当たり前ではないか?
報告をしてくれた友人の声が震えていた。泣いていたのだ。あの気丈な彼女の震える声を聞いて私も絶句した。
電話を切る寸前、ふっと彼女がこういった。
「ガンバはきっと自殺したのよ。」
彼女らしからぬ発言に驚くと同時に、自殺する動物はいないという持論がガラガラと崩れた。ああ・・そうなのかもしれない・・・

ガンバの件では横浜市長宛に抗議文を送った。
ガンバが収容された横浜の畜犬センターの業務態勢は全く呆れる程杜撰だった。
飼い主がいくら捜していても返還される可能性は無きに等しいおそまつ極まりない事実が露見した。
収容された犬達が全員飼い主の元に帰れるように注意を怠らず真摯に毎日取り組む職員が沢山いる。
返還されない動物達の一般譲渡を考え、推進している職員も沢山いる。
そんな職員達の努力を無にする行為、これは許せない。
やりきれない思い・・・


愛護団体のYさんの記録より